EYEZ

最近の研究において,見ることは能動的な過程であり,長い間考えられてきた受動的な過程でないことが明らかになってきた。画家アンリ・マティス(Henri Matisse, 1869~1954) の「 見 るということはそれ自体で既に創造的作業であり,努力を要するものである。」1) という言葉に心から敬意を払う近代の神経生物学者もおり,美術を神経・脳科学からアプローチす
る研究も出てきている。科学も美術も「本質的なものの探索」という点や「見ることは能動的・創造的な行為で
ある」という点で一致しており,今後,「見る」という行為について,さらなる解明が期待される。
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